囲碁の効能
囲碁は楽しいゲームです。
しかし、囲碁人口はそんなに多くありません。そこで今回は娯楽にとどまらない囲碁の良い効果について少しご紹介したいと思います。
囲碁は昔から戦のかけひきを学ぶのに大事だと言われていました。日本では織田信長や豊臣秀吉、徳川家康など戦国時代を代表するような武将たちが囲碁を好んで打っていたことが知られています。特に豊臣秀吉は囲碁の戦略性が武将に必要だと考え、本因坊算砂に武将への講義をお願いしたようです。古代中国では仙人が打っている囲碁の対局が地上の合戦を表していたなんていうお話もあります。
実際のところ、囲碁にはどんな効能があるのでしょうか。少し調べてみたらこんな論文を見つけました。White matter neuroplastic changes in long-term trained players of the game of “Baduk” (GO): A voxel-based diffusion-tensor imaging study (Boreom Lee et al., NeuroImage 2010)
White matter (白質)というのは脳にある神経線維の多い領域のことで、脳の中のいろいろな領域を繋いでいます。囲碁を長期間練習していると白質が変化するというのです。具体的には「注意」のコントロール、「ワーキングメモリー」、「実行」に関わる制御、「問題解決」に関連する領域のつながりが大きくなるようです。ワーキングメモリー(作業記憶)というのは課題実行中に情報を一時的に保持しておく脳の中にあるメモ帳のような機能のことです。囲碁を練習すると他にも学習、抽象的な考え方、自己制御などの力が向上するとのこと。今回は詳しく紹介しませんが、囲碁のプロとアマとで脳活動を比較した研究などいろいろあるようです。
小学校の高学年までにできあがるという構成力(異なる要素を組み合わせて総合的に使う能力)を囲碁で鍛えてみませんか?
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